しんぶん赤旗日刊紙「きょうの潮流」
「ひも付き」と聞くと、何か汚らわしい感じをうけます。辞書にも「女性に情夫がついていること」「金銭その他の援助をうける際に、ある引き換え条件がついていること」とあります▼原子力規制委員会の外部専門家17人のうち、7人が原発業界から、お金を受け取っていました。寄付や共同研究費の名目で。規制委ではいま、原発の新しい基準づくりを進めていますが、その議論に専門家たちは加わっています▼原発マネーをもらった専門家は、どんな主張をしているのか。大事故の安全対策について「過大な要求ではないか」。活断層と原発の立地についても「断層のずれに対処する技術は進んでいる」として、条件次第で認めると言い張ります▼もともと規制委は原発から国民の命と環境を守るためにつくられたもの。安全第一が最優先のはずです。ところが、東電福島第1原発の事故原因がまだ究明されていないのに、新たな基準づくりを急がせる。出てきた疑問はそのままで、最優先は期限です▼規制する側なのに、昨年9月にできた当初から、ひも付きでした。原発の問題や危険性を早くから追及してきた「赤旗」を記者会見から除こうとしたり、幹部が原発業者と何度も会って未公表の資料を渡したり…▼あの悪夢のような事故からもうすぐ2年。被災地福島では、いまだに15万余の人たちが展望のない避難生活を余儀なくされています。原発推進の安倍政権のもと、安全よりも再稼働ありきでは規制委の役割は果たせないでしょう。
13年02月7日|しんぶん赤旗.
森本ふみお コメント: コメント募集中