2014/11/20 木曜日

営利目的の民間運営は将来に禍根 「わたしたちの高梁中央図書館をつくる会」が講演会

Filed under: よろず記録帳 — seibu-tiku @ 11:32:36

図書館本来の機能充実と教育委員会が直接管理運営することを求めて結成
された「わたしたちの高梁中央図書館をつくる会」(代表世話人:靍(つる)理恵子吉備
国際大学准教授)が16日、公立図書館のあり方を考える講演会を市内文化会館で開きました。
講演では、田井郁久雄元広島女学院大学准教授が、岡山市立図書館に30年勤務した豊富な経験と調査をもとに「公立図書館民営化(指定管理者制度)の何が問題か」を具体的にわかりやすく話しました。
講師は、全国公立図書館の運営実態を調査・分析した結果を踏まえて、指定管理者制度導入による民営化の4つの基本的な問題点指摘。
①資料収集・保存に求められる長期的な視野での継続性・系統性が阻害される、
②職員の多くが非正規雇用となり、図書館に必要な専門性が育まれない ③公立図書館の無料制のもと、指定管理者が利益を得ようとすれば専ら人件費の削減となりワーキングプアが生まれる ④自治体が指定管理者に支払う経費(指定管理料)の中には民間業者の利益分が含まれるし、直営では不必要な消費税も加算され税金が無駄に使われるなど直営の方が経費が少ない。
特に、高梁市が運営委託しようとしている大手書店事業者ツタヤ(株CCC・本社東京)が運営している佐賀県武雄市図書館の実態を詳しく解明。開館当初は、建築デザインや館内の雰囲気、カフェ・書籍販売の商業スペースなどが物珍しく、マスコミの過熱報道もありフィーバーしたが、開館から2年半経過した今、早くも入館者数・貸出数ともに大幅に減少していること、市民の税金が地域に還元されず東京の本社に吸い上げられ地域経済振興にならないことなどを指摘。
最後に講師は、民営運営では地域の貴重な人材である図書館職員は絶対に根づかない。高梁市立中央図書館は直営によってのみ改革できる-そのため館長、司書に経験と意欲のある専門職を配置することが最も大切。市長、教育委員会は、図書館建設のすべての情報を市民に公開・オープンにして市民のさまざまな意見を聞きながら、高梁市の将来をしっかり見据え禍根を残さないようよほど慎重に進めてほしい、と締めくくりました。
講演を市民ら60人が聞きましたが、多くの参加者から「民間運営でもいいのではと思っていたが、講演を聞いて直営でなければいけないことがよくわかった」などの感想が寄せられました。
会ではいま、中央図書館としての機能を果たすこと、運営は直接市教育委員会で行うことを求める署名活動に取り組み、12月市議会に陳情書を提出ことにしています。            
(会事務局)

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